こんにちは!「野球くじ研究所」の所長、球研 所長(きゅうけん しょちょう)です。
「野球くじ」のニュースを調べていると、「非予想系」と並んで「ベッティング型」という言葉を目にします。
2026年7月のオーナー会議では野球くじの検討が了承されましたが、その対象は「非予想系」に限られました。
では、反対に「ベッティング型」とは何のことで、なぜ話題になっているのでしょうか。
今回は、野球くじの「ベッティング型」について、非予想系との違いを中心に整理します。
この記事の結論
ベッティング型とは、購入者が試合の勝敗などを自分で予想して賭ける方式のことです。
NPBは今回、コンピューターが結果を無作為に選ぶ「非予想系」に限定して検討を進めており、選手会もベッティング型には反対の立場を示しています。
1. ベッティング型とは?自分で試合結果を予想して買う仕組み
購入者が「どちらのチームが勝つか」「何点入るか」といった試合の結果を自分で予想し、その的中に応じて払戻しを受ける方式を「ベッティング型」と呼びます。
海外のスポーツベッティング(ブックメーカー)のように、予想が当たるかどうかが勝負になるイメージです。
たとえば次のような特徴があります。
- 購入者が試合結果を選ぶ(勝敗・スコア・個人成績など)
- 野球の知識や分析が、予想の材料になる
- 予想の対象が細かくなるほど、賭けの種類は増える
なお、「ベッティング型」という言葉の定義は報道や論者によって幅があります。
ここでは「予想して賭ける型」という意味で使っています。
2. 非予想系との違いを比較表でチェック
今回、NPBが検討を了承した「非予想系」は、コンピューターが無作為に勝敗を選ぶ方式です。
サッカーくじの「BIG」と同じ仕組みで、購入者が自分で予想する余地がありません。
詳しい仕組みは非予想系の解説記事にまとめています。

| 項目 | 非予想系 | ベッティング型 |
|---|---|---|
| 結果の決め方 | コンピューターが無作為に選ぶ | 購入者が自分で予想して選ぶ |
| 野球の知識 | 結果には影響しない | 予想に活かせる |
| 的中の要素 | 運の要素が中心 | 予想力の要素が大きい |
| 八百長との関係 | 結果を操作する意味が薄い | 結果を操作して利益を得る動機が生まれやすい |
| 野球くじでの扱い | 検討が了承された | 今回は対象外(選手会は反対) |
この表のとおり、最大の違いは「自分で結果を選べるかどうか」です。
そして、この違いが八百長のリスクにつながってきます。
競馬・宝くじなど、ほかの制度との違いは、野球くじと競馬・宝くじの違いを比較した記事で一覧にしています。
3. なぜNPBは「非予想系」に限定したのか
2026年7月16日のオーナー会議で、NPBは野球振興のための「スポーツ振興くじ」の導入検討を了承しました。報道によると、検討の対象は「非予想系」に限定されています。背景として、野球競技者人口の減少や、中学の部活動の地域移行といった課題に対応するための財源確保が挙げられています。
非予想系に限定した最大の理由は、八百長への警戒だと考えられます。プロ野球には、1969年に発覚した「黒い霧事件」という苦い歴史があります。NPBの中村勝彦事務局長も、野球協約が有害行為を厳しく禁じていることに触れ、関係省庁と連携しながら慎重に議論を進める姿勢を示したと報じられています。
予想して賭ける仕組みでは、「試合の結果を操作すれば確実に儲かる」という動機が生まれてしまいます。投手の交代や選手の起用といった内部の情報が結果に影響しやすい野球では、特にこの点が懸念材料になりやすいのです。
4. 選手会はベッティング型に反対
もう一つ、見逃せないのが選手側の姿勢です。
2026年7月16日のオーナー会議にあわせて、12球団オーナーとプロ野球選手会が直接会談を行いました。
報道によると、選手会の近藤健介会長は、ベッティングについては反対という立場を明確にしています。
一方で、機械が無作為に選ぶ非予想系については、一定の理解を示したとされています。
会談の詳しい内容は、歴史的な初会談を解説した記事で紹介しています。

選手が自分たちの試合を賭けの対象にされることへの不安や、不正に巻き込まれるリスクを考えれば、慎重な姿勢になるのは自然な流れでしょう。
5. ベッティング型のメリット・デメリット
ここでは、ベッティング型について一般的に言われているメリットとデメリットを整理します。
メリットとして挙げられやすい点
- 野球の知識や分析力を、予想に活かせる
- 試合ごとに楽しめるため、観戦がより盛り上がる
- 違法なオンライン賭博に流れている需要を、国内の制度に取り込める可能性がある
デメリット・懸念される点
- 八百長や不正のリスクが高まる
- 選手や審判、球団関係者に対する不正な働きかけが起きやすくなる
- ギャンブル依存への対策が、より重要になる
- 現在の法律では対象外のため、制度のハードルが高い
特にデメリットの面は、ファンの賛否を整理した記事でも触れた「黒い霧事件のトラウマ」と直結しています。
メリットは魅力的に見えても、野球界が最も避けたいリスクと隣り合わせなのです。
6. 今後、ベッティング型になる可能性はある?
現時点では、ベッティング型になる可能性は低いと見られます。理由は大きく2つです。
1つ目は、制度の面です。
現在のスポーツ振興くじの対象競技はサッカーとバスケットボールで、バスケットボールは2020年末の法改正で追加されたと報じられています。
野球を対象にするにも法改正が必要で、そのうえで予想型まで認めるとなると、さらに高いハードルがあります。
詳しくは法改正が必要な理由を解説した記事をご覧ください。
2つ目は、関係者の合意です。
NPBが非予想系に限定し、選手会もベッティング型に反対している以上、まずは非予想系で議論が進むとみられます。
ただし、導入が決まったわけではなく、発売時期や購入方法などはまだ未定です。
最新の見通しは、導入検討のニュースまとめで随時お伝えしています。
「非予想系」とのつながりで、スポーツくじの対象が広がった前例(Bリーグ)も確認しておきましょう。

海外では1球ごとの賭けに上限が設けられるなど、ベッティング型をめぐる制度は国によって異なります。アメリカや韓国の事例は、海外の野球ベッティング事情の記事で整理しています。
7. まとめ:球研 所長の考察
最後に、今回のポイントを整理します。
- ベッティング型とは、購入者が試合の結果を予想して賭ける方式
- 非予想系は、コンピューターが無作為に結果を選ぶ方式で、NPBが検討を了承したのはこちら
- 非予想系に限定した背景には、1969年の「黒い霧事件」など八百長への強い警戒がある
- 選手会の近藤会長は、ベッティングについては反対の立場を示している
- ベッティング型の導入は、法律の面でも関係者の合意の面でも、現時点では高いハードルがある
球研所長として感じるのは、「予想できないからつまらない」と見るか、「だからこそ野球を守れる」と見るかで、野球くじの印象は大きく変わるということです。
一方で、野球の知識を活かして楽しみたいというファンの気持ちも、無視できないと思います。
今後の議論の中で、ファンが納得できるバランスが見つかることを期待しつつ、引き続き最新の情報を追いかけていきます。
